47都道府県合同企画
福岡県は、
ずっとおいしいか?
福岡の若い世代が、「食」から福岡を考えた。
訪問者
森 心太
北九州市立大学
地域創成学群
受入者
井口 剛志
株式会社ベンナーズ
未利用魚を活用したサービス 生産者、消費者、社会、環境の調和を目指す
マイナスに見える状況をプラスに変える̶。この思いを力に、森心太さんは海の漂着ごみゼロを目指す福岡県の学生グループ「maiPLA(マイプラ)」の共同代表を務める。長崎県五島市で生まれ育ち、高校2年の時に島の海ごみ問題に気付いた。同級生とマイプラを設立し、海岸清掃や情報発信などを開始。大学進学後は福岡市西区の大原(おおばる)海岸を拠点に、活動を継続している。 九州、日本、世界へつながりは広がるが、「地元がすごく好き。いつかは島に戻りたい」。海に囲まれたふるさとのために将来何かできないか。手掛かりを求めて、福岡市東区のベンチャー企業「株式会社ベンナーズ」の代表、井口剛志さんを訪ねた。 2018年創業の株式会社ベンナーズは経営理念に「日本の食と漁業を守る」を掲げる。井口さんは高校から米国に留学し、大学でアントレプレナーシップ(起業家精神)を学び、祖父と父が携わっていた水産業界での起業を決めた。「あらゆる課題が複雑に絡み合う世界だからこそ、課題を解決できれば社会に大きなインパクトを与えられる」とやりがいを感じたという。生産者、消費者、社会、環境の全てが幸せな世界を目指して生まれたのが、未利用 魚を使用した商品の定額制宅配サービス「フィシュル」だ。 規格外などで市場に流通しない鮮魚を加工し、簡単に食べられる冷凍の真空パックで届ける。40種ものこだわりの味付けも好評で、魚食の普及に貢献している。
22歳が福岡県の食の未来を考えた。
「フィシュル」は全て手作業で、サイズがふぞろいだったり、傷があったりする一尾一尾に向き合い、最適な味付けをしている。従来の大量生産型の水産加工業に比べると手間がかかるが、その手間が井口さんの大切にする〝作り手よし、使い手よし、そして社会よし〞の世界に欠かせない。自然から受けた恩恵を社会に還元し、持続可能な水産業に挑む井口さんの話に深くうなずく森さん。「日本のおいしい魚をこの先もずっと食べ続けられるように、マイプラとして若い世代が自然環境問題について話し合える場を積極的につくっていきます。まず興味を持ってもらうことが、豊かな食を未来へ残す一歩になると感じました」と今後の方向を見据えた。
ニッポンをずっとおいしく。
ニッポンフードシフト進行中
「食から日本を考える」ニッポン フード シフト。生産者、食品事業者と消費者が共に「食」を考え、行動しようという運動です。2021年のスタートからこれまでの間にも「食」に関わる課題はさらに多様化し、より現実的で切実なものとなってきました。そんな状況に対して「食」の現場からは、全国各地様々な意見が上がり変革への挑戦が続けられています。今こそ、消費者の一人ひとりが「食」の現状を認識し、我がこととして取り組む必要があります。
今日は成人の日。全国で*108万人(18歳)の「新しい大人」がデビューします。日本の「食」がずっとおいしくあるためには、これからを担う若い世代が、真摯に「食」を考え、新鮮な発想をもって行動することが切に求められています。「食」を考えることは社会を、そして未来を考えること。そんな課題を「新しい大人」のみなさんに問いかけたいと思います。
*総務省 2022年10月1日現在の人口推計に基づく
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