47都道府県合同企画
茨城県は、
ずっとおいしいか?
茨城の若い世代が、「食」から茨城を考えた。
訪問者
齋川 成美
茨城大学
人文社会科学部
受入者
川島 拓
田村きのこ園
茨城県のシイタケ農園 元協力隊員が「第三者継承」
齋川成美さんは茨城大学人文社会科学部で、「新しい地縁」について研究する22歳。地域のつながりが希薄になる中、子育て中の母親が孤独化・孤立してしまうことに問題意識を持ち、その解決策を研究テーマに選んだ。地元筑西市の若者プロジェクトで情報誌「ちくっこ」の記者も務める彼女が訪れたのは、シイタケ農園「田村きのこ園」(笠間市)の2代目、川島拓さん(29)。「新しい地縁」の一つともいえる第三者継承の実例を学んだ。 川島さんは、笠間市の地域おこし協力隊員として農業振興に取り組む中で、同園の先代、田村仁久郎さんが菌床栽培する「福王しいたけ」と出合い、その味に衝撃を受けた。田村さんが引退し廃業を考えていることを知り、「このシイタケを茨城に残さなければ」との思いから弟子入りを願い出た。学生の頃から全国の農家でアルバイトをしていたが、「まずはお金の勉強をしよう」と県外の金融機関に就職。その後、協力隊員となり、任期中に田村さんの下で栽培法を一から学んだ。そして、任期終了後の2022年に事業を引き継いだ。 肉厚さとともにこだわるのは、食べたときのうまみ。「ここのシイタケを食べたら、ほかでは食べられない。このシイタケで人生が変わりましたね」と笑う。後継者がいない農園を新規参入者に引き継ぐ第三者継承。齋川さんも「私も血縁や従来の地縁にこだわらない、自由なつながりに可能性を感じているんです」と共感した様子だった。
22歳が茨城県の食の未来を考えた。
取材を終えた齋川さんは語る。 「第三者継承という言葉を今回初めて知りました。川島さんの血縁がない所でも入っていくところに、学生時代の経験が生きていることが本当に素晴らしいなと感じました。地縁づくりでは、孤独化・孤立したくはないが、地域のつながりに煩わしさを感じたくないという、そのバランスがすごく難しいと思っていて、血縁などの選べない縁ではなく、自分で自由につながりを選択できる『選択縁』が広がっていってほしいと期待しています。私自身、さらに研究を進めて、今後の人生や自分の就職先でも、従来の地縁にとどまらない『もっと自由で広範囲な地縁』の構築を模索していきたいと、川島さんのお話を聞いて感じました」
ニッポンをずっとおいしく。
ニッポンフードシフト進行中
「食から日本を考える」ニッポン フード シフト。生産者、食品事業者と消費者が共に「食」を考え、行動しようという運動です。2021年のスタートからこれまでの間にも「食」に関わる課題はさらに多様化し、より現実的で切実なものとなってきました。そんな状況に対して「食」の現場からは、全国各地様々な意見が上がり変革への挑戦が続けられています。今こそ、消費者の一人ひとりが「食」の現状を認識し、我がこととして取り組む必要があります。
今日は成人の日。全国で*108万人(18歳)の「新しい大人」がデビューします。日本の「食」がずっとおいしくあるためには、これからを担う若い世代が、真摯に「食」を考え、新鮮な発想をもって行動することが切に求められています。「食」を考えることは社会を、そして未来を考えること。そんな課題を「新しい大人」のみなさんに問いかけたいと思います。
*総務省 2022年10月1日現在の人口推計に基づく
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