47都道府県合同企画
富山県は、
ずっとおいしいか?
富山の若い世代が、「食」から富山を考えた。
訪問者
川邉 慶
富山大学
教育学部
訪問者
濵田 葵
富山大学
教育学部
受入者
山本 将也
認定農業生産法人 有限会社ファーム・ファーム
農作業を中心とした共同生活による自立・就労支援について聞く。
濵田葵さんと川邉慶さんは富山大学教育学部で教員を目指す19歳。教科などに関する専門知識や教育課題に対応する実践能力を培うべく、日々様々な講義・課題に取り組んでいる。そのなかには、障害のあるなしに関わらず、すべての子どもがともに学ぶインクルーシブ教育に関するものもあり、共生社会を実現していくうえで、今後、重要になると考える。この教育を実践に活かすためのヒントをつかもうと、二人は富山市万願寺の田園地帯を訪れた。無農薬米や減農薬米の生産・販売をおこなう認定農業生産法人ファーム・ファーム。農作業に励むのは不登校やひきこもりの青少年たちで、寮で共同生活を送りながら自立・就労を目指している。昼夜逆転や抑うつ状態といった問題を抱えたまま入寮するものも少なくないが、「家から出て共同生活を始めると、みんな変わっていくんです」と、スタッフの山本さん。山本さんも元は寮生で、一度社会に出たが、再びこの場所へ。農作業や勉強で寮生をサポートする。また、代表の川又さんは、起きてから寝るまでともに過ごすことで、正しい生活リズムが身に付くほか、好ましい対人関係を築けるようになるのだと言う。「ここで与えられるパーソナルスペースはベッド一つ。でも、みんな、家庭にはなかった“居場所”があると言います。この“居場所”がつくりだす安心感や肯定感が、自立・就労を促すのではないでしょうか」。川又代表の話を熱心に聞く二人は、インクルーシブ教育をよりよく実践するためのヒントを見つけられただろうか。
二人の若者が富山県の食の未来を考えた。
「『共同生活を始めると、みんな変わっていく』という話を聞いて、農業体験合宿をカリキュラムに取り入れられればと感じました。寝食をともにしながら農作業をおこない、そのなかで一人ひとりの個性に触れていくことは、インクルーシブ教育をよりよく実践するための貴重なヒントになりそうです。また、農業体験合宿の参加者が実際に就農したという話を聞いて、後継者不足をはじめとした農業課題の解決にもつながると感じました。今、私たちは教員のたまご。将来、現場に出たとき、教育課題の解決に貢献できるよう、農福連携への理解を深めていきたいですね。そして、それが農業課題の解決にもつながれば…、という期待も抱かずにいられません」
ニッポンをずっとおいしく。
ニッポンフードシフト進行中
「食から日本を考える」ニッポン フード シフト。生産者、食品事業者と消費者が共に「食」を考え、行動しようという運動です。2021年のスタートからこれまでの間にも「食」に関わる課題はさらに多様化し、より現実的で切実なものとなってきました。そんな状況に対して「食」の現場からは、全国各地様々な意見が上がり変革への挑戦が続けられています。今こそ、消費者の一人ひとりが「食」の現状を認識し、我がこととして取り組む必要があります。
今日は成人の日。全国で*108万人(18歳)の「新しい大人」がデビューします。日本の「食」がずっとおいしくあるためには、これからを担う若い世代が、真摯に「食」を考え、新鮮な発想をもって行動することが切に求められています。「食」を考えることは社会を、そして未来を考えること。そんな課題を「新しい大人」のみなさんに問いかけたいと思います。
*総務省 2022年10月1日現在の人口推計に基づく
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