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有機野菜で育てたい親心

「昆布だし、にんじん、米粉」。株式会社はたけのみかたの離乳食ブランド「mamma」の原材料は実にシンプルです。添加物などを加えて味をそろえることはせず、有機野菜そのもの味を感じてほしいという思いがそこには込められています。

創業者が有機野菜農家と出会ったのは、大学生時代に生産者と消費者をつなぐ野菜市を企画、開催していた時のこと。野菜づくりにかける並々ならぬ思い、そして販路探しの苦労を聞き、かたや、お母さんが赤ちゃんのために、と遠方から野菜市に有機野菜を買いに来ていることを知ります。「有機野菜を離乳食にすれば両者の思いをつなげられるのではないか」。そう考え、事業化へと突き進みました。

月齢ごとに食材の固さや大きさ、栄養を考えて作るなど丁寧な取り組みが評判となり、すぐに生産が追い付かないほどに。生産者同士のつながりをたぐり寄せながらネットワークを広げ、仕入れる生産者は20軒にまで増えています。

生産者が口にする「有機野菜は儲からない」という世界を変えたい、と市場では流通しにくい形の悪い野菜を引き取って材料に使うようにし、生産者の苦労を実感してもらうため消費者に生産を体験してもらう場を設けようとも考えています。昨年には新工場も完成。離乳食だけでなく、今後は子ども、大人、そして高齢者の食にも広げていこうとしています。

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