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純国産パスタでまちおこし

パスタ専用小麦として知られるデュラム小麦は赤カビ病にかかりやすいなど栽培が難しく、これまでは海外産小麦を輸入して製粉、製麺するしかありませんでした。農研機構と日本製粉(現ニップン)が日本の気候、風土に合うように開発した品種「セトデュール」の栽培に八幡営農組合が着手したのが2012年のことです。

実際に栽培してみると、赤カビ病以外にもたくさんのハードルが待ち受けていました。収穫はできてもタンパク質の含有量が低く、茹でているうちに溶けてしまうのです。施肥のタイミングを調整しながら7年がかりでようやく栽培方法を確立。収穫された小麦は製粉された後、同じ加古川市内にあるメーカーで製麺されます。

同組合では、種子から国内で品種登録されたデュラム小麦を使った初の純国産パスタを「加古川パスタ」として商標化、令和2年12月からは県内の農家とコラボして日本初の純国産生パスタを発売。

現在では、市内のJA直売所やレストランや百貨店に供給しているほか、同市の学校給食にも年間2t分を提供しています。また、同市内の小学校に出向いて授業をし、顔の見える農家が栽培しているからこそ安心して食べられることを説明し、食育にも役立てています。

国内でデュラム小麦を栽培するのは無理、とされていた常識を覆した今回の取組み。同組合では今後全国に販路を拡大し、純国産パスタの価値を広めていこうとしています。

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