ニッポン全国フードシフト中

「もったいない」を実践

まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品ロスは年間600万トン。焼却処分により環境にも悪影響を及ぼしています。岡山県の株式会社ハローズは兵庫と中四国で94店舗のスーパーマーケットを運営。店から出る廃棄食品の有効利用で効果を上げています。

ハローズで発生する食品ロスは毎日1店舗あたり約30キログラム。「このまま廃棄するのはもったいない」というパート社員のひと言から、取り組みが始まりました。タッグを組むのはフードバンク。品質に問題がなくても賞味期限間近や包装不良を理由に処分される食品を引き受け、必要とする所に無償で提供する組織です。

廃棄を減らす方法は24時間営業のハローズならでは。店舗ごとに夜勤者が提供する食品を翌朝までに準備し、フードバンクと契約した子ども食堂や福祉施設といった地域の支援団体に取りに来てもらう仕組み。月間12トンもの食品を提供しています。

当初はハローズの物流センターに食品を集め、フードバンクを通じて配送していたため運搬や仕分けに時間がかかり、提供できるのは缶詰やレトルトなど長期保存できるものに限られていました。

そこで支援団体と店舗が直接取引する現在の方式に切り替えると、食品を用意したその日のうちに渡せるので消費期限の短い青果や乳製品、ハム・ソーセージ類も扱えるように。

輸送コストやCO2の削減効果もあり、食品を捨てずに済む社員のモチベーションアップにつながりました。“もったいない”の実践で地域を支える取り組みは「ハローズモデル」と呼ばれ、岡山から全国のスーパーやドラッグストアに拡大しています。

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