第2部 クロストーク
登壇者の皆様
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梅本ゆうこ -
伊藤遊 -
吉村和真 -
倉持佳代子 -
ユースギョン
クロストーク
では最後に、今日の感想と食マンガの魅力を改めて、お話しいただけますか。
日本人は生活のベースに食への興味・関心があって、今日は和・洋・中、何を食べようか?と自在に選択できるなど、いつの間にか多様な食文化を吸収していて、それがマンガにも大きく反映されているんだなと思いました。


自分がいかにマンガの中の食に影響を受け生きてきたんだなと改めて実感しましたね。自分にとって食事が幸せだという記憶は、マンガが作ってくれた部分も大きいんだなと。私だけではなく日本や世界中に、そういう影響を受けた人がいるのではないかと改めて感じました。
食マンガはなんで楽しいのか、考えるきっかけになりました。写真ではなく、絵で描かれているからこその魅力。作家の視点で描かれたものを、自分なりの解釈を加えて想像できることが食マンガの楽しさのひとつの理由なんだなと考えることができました。


ユーさんと似た感想になるんですが、特に後半の、食を描くための表現方法の話は興味深かったですね。実物そっくりにおいしいものをそのまま描けばいいわけではないというマンガのおもしろさと奥深さ。読者が文化的リテラシーを構築していったという話。今後、日本社会では孤食がますます加速していくと思うんですが、だからこそ食マンガを通して人間関係について考えていくことが重要になっていくのかなと感じました。
今後、食マンガを語っていく上で、いわゆる紙の白黒マンガだけでなく、アニメやスマートフォン仕様の縦スクロールのカラーマンガを含めた2次元表現全般で考えてみると、もっと視野が広がるんだろうなと感じましたね。我々の感じる「おいしさ」が、マンガによって基礎付けられていることは確かで。現在の食文化に対するマンガの影響力の大きさを思うと、今後、日本の和食や懐石が広く受け継がれていくためには、どれだけマンガと良い関係が築けるかがひとつのキーになるなとも実感しました。

本日はどうもありがとうございました。

