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マンガ飯 スペシャルトーク マンガに登場する食事から見る「食と農の魅力」 マンガ飯 スペシャルトーク マンガに登場する食事から見る「食と農の魅力」

第2部 クロストーク
登壇者の皆様

  • 梅本ゆうこ
    梅本ゆうこ
  • 伊藤遊
    伊藤遊
  • 吉村和真
    吉村和真
  • 倉持佳代子
    倉持佳代子
  • ユースギョン
    ユースギョン
竹村匡己 /SAVVY編集長 京都市伏見区生まれ。エルマガジン、サヴィ、リシェ、別冊編集部、ミーツ編集長を経て、2019年より現職。好きなマンガ家は、手塚治虫。
司会 竹村
2

クロストーク

読み手のリテラシーの高まり

倉持さん
倉持さん

食べるのがエンタメになるみたいなので言うと、『かっこいいスキヤキ』の泉昌之(久住昌之と泉晴紀の共作名義)のデビュー作にあたる『夜行』が最初ですよね。あれに影響を受けた人はすごく多いと思う。この作品でただ弁当を食べるだけで、こんなにドラマチックな話になるんだって言うことを示したのが、その後の『孤独のグルメ』などに繋がっていくと思うんです。

久住さんもよく言ってますけど、発表当時は全然ウケなかったんですよね。

伊藤さん
伊藤さん
吉村さん
吉村さん

すごいマンガができた!ってメジャー誌に持ち込んだけど、全く相手にされなくて、最終的にも売れなかった。だから早すぎたんですよね。ようやく久住さんに時代が追い付いたという。

最近は、海外に行ってすごいドラマが起きるとかじゃなくて、「お散歩マンガ」みたいな、半径500メートル位でのご近所をおもしろく描くみたいなエッセイマンガも流行ってきてますよね。出来事ではなく、視点のおもしろさで見せるような。

伊藤さん
伊藤さん
吉村さん
吉村さん

だから、読者のリテラシーが高くなってきたということですよね。ドラマもオチもなくても、何を書いても自分で補完できる食のイメージをリテラシーとして持ってる読者がいる。それが日本社会のすごいところだなと今回改めてわかりました。

食べるだけでエンタメになるように変わってきたのは、食べることは人様に見せるものではないという抑圧が解放されてきたという時代の流れもあるんでしょうか。ジェンダー論に繋がるような。

司会 竹村
倉持さん
倉持さん

確かに。「食べるだけマンガ」が流行りだした頃は、エロと結びついた食マンガがすごく多かったんです。おいしいって言ってる顔がエクスタシーを感じているような顔になる表現が多くて、辟易した時期もあったんですが、そこを超えて、また違う食マンガの進化みたいなものを最近感じています。

YouTubeでも最近、ひたすら食べる様子を見せる番組が人気を集めてますよね。食べるだけでも楽しめるリテラシーはマンガだけに限ったことではないのかもしれません。

ユーさん
ユーさん
吉村さん
吉村さん

そういう意味では僕は、先ほどのインスタグラムの食べ物写真とかも、楽しむリテラシーを持ってない人間ですね。具体的には何が楽しいんでしょうか?

女子トークみたいな感じなのかもしれませんね。共感というか、終わりのない会話みたいなもので、理由付けを求めない。

司会 竹村