紙面からニッポンフードシフト

食品業界から、ニッポン フード シフト。

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農業

日本食糧新聞 2022年1月12日掲載

ITがもたらす人と豚の健康

畜産が盛んな宮崎県川南町で養豚から食肉加工・販売をする協同ファームは、これまでの養豚業の抱えていた課題をIT導入で解決した会社です。入社4年の川邊理沙さんは、川南町で生まれ育ちました。幼い頃は豚に関心は無く「まさか自分が養豚の仕事をしているなんて…」と笑いながら話す。主な業務は、受注管理やS N Sの更新、最近では、豚の生産現場など各部署のリーダーが集まる会議にも参加しています。これまでの養豚といえば、重労働が当たり前の職場環境でした。「人力に頼ることで、負荷がかかり、人間はもちろんのこと、豚にもストレスを与えていたことがあったかもしれません」現在は、働き方改革に加えて水・餌の管理や浄化槽でトラブルが発生した際には、すぐに対処できるITによるシステム構築をしています。豚の健康状態なども、社員同士で共有できる体制です。人が関わる必要があるところ、そうでないところを仕分けできるようにしています。「人が豚のことを考える余裕ができたことで、豚に愛情を持ちながら接する時間が増えました。ITを駆使して、まだまだ変われると思います」と川邊さん。川南町は「日本三大開拓地」と評されることがあります。7頭の豚からスタートし、時に、悩み苦しみながらもこれまで成長してきた協同ファーム。「先駆者たちの旺盛な好奇心はもちろん、現代版フロンティアスピリッツをも加えて皆で育って行くことが願いです」と力強く語っています。

47都道府県からニッポンフードシフト
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