紙面からニッポンフードシフト

農業から、ニッポン フード シフト。

スマート
農業

日本農業新聞 2022年1月10日掲載

和牛の生産は「一生続けられる仕事」

JA鹿児島きもつきは、畜産の生産基盤を守るため、大規模な繁殖経営に取り組んでいます。同JAが位置する鹿屋市は、全国でも有数の黒毛和牛の産地ですが、農業者の高齢化や減少といった課題を抱えています。JAでは、子牛を安定的に供給するため、2010年に「きもつき大地ファーム」を設立。繁殖、哺育育成、飼料製造を分業化した肉用繁殖雌牛約1800頭を持つ大規模農場です。発情や分娩のタイミングを感知する情報通信技術(ICT)を積極的に導入し、分娩事故や作業者の負担を減らしています。また、農場では、地域の若手後継者を積極的に受け入れ、就農へ向けた研修施設としての役割も担っています。農場で働く岡村健太郎さんもそんな若手後継者の一人。「畜産業で、地元に貢献したい」と、農業大学校を卒業後に入社。在学中に取得した資格を生かし、人工授精師として活躍しています。授精の仕事は「責任は大きいが、やりがいがある」と話します。岡村さんが「一緒に働いて心強い」と話す德留勇貴さんは農場のムードメーカー。農業とは別の仕事に就いていましたが、「農業は一生続けられる仕事。実家の畜産を無くしたくない」との思いから農場に入社しました。二人は年代も近く、互いに切磋琢磨しながら、未来の畜産農家を目指しています。「畜産は、自分たちが生産した牛を全国の皆さんに食べてもらえる、夢のある仕事。国産牛をぜひ食べてほしい」と、二人は思いを語ります。

47都道府県からニッポンフードシフト
トップへ戻る