紙面からニッポンフードシフト

沖縄県から、ニッポン フード シフト。

スマート
農業

沖縄タイムス 2022年1月10日掲載

IT導入と雇用改革で道拓く

南城市にある大農ファームは、サトウキビ中心に農作業を請け負う農業生産法人です。地域に点在する高齢化した小規模な農家にとって、作業受託組織は生命線。同社は機械化はもちろん、スマート農業導入にも積極的で、その取り組みは地域全体の底上げにつながっています。また基本土日休みの週休2日、月給制の常勤雇用という、農業の世界の固定概念を覆す経営を実現。新垣智也代表は34歳。2010年に経験ゼロで父親の後を継ぎ、赤字を抱えてのどん底から、地域農業の中心的な担い手に成長しました。農家で安定雇用が難しい大きな理由は、作業が一時期に集中し年間を通じた仕事量が確保しにくいことですが、新垣さんは自社の農地を増やし、作業受託と生産の両輪で収益を安定させました。1〜2人での経営が多い受託組織にあって、自身を含め5人の常勤雇用者がおり、全員分の重機をそろえ、作業を依頼する農家の機械化に貢献。21年からは農機に衛星利用測位システム(GPS)と自動操縦装置を取り付け、インターネット回線を利用して自動操縦する県内メーカーの仕組みも導入しました。今後の目標はさらなる事業拡大。また、農家がお互いの技術を生かし助け合う、農家のための人材派遣事業も構想します。「農業ってかっこいい、魅力的な仕事。頑張るほど収入が上がり、やり方次第でどんどんうまくいくのを肌で感じたらもうやめられないですよ」。情熱は尽きません。

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