紙面からニッポンフードシフト

佐賀県から、ニッポン フード シフト。

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佐賀新聞 2022年1月10日掲載

高校生のアイデアで生産者を応援

全国有数のタマネギの生産地・佐賀県杵島郡白石町。コロナ禍で外食産業からの注文が減り、価格も暴落。地元農家は、大量のタマネギを抱えて困っていました。そんな農家を「助けたい」と2020年、同町の佐賀県立佐賀農業高校農業科学科の2年生と3年生6人(オニオンズ)が「冷凍しろたま」を開発。クラウドファンディングで資金集めをして商品化し、21年から販売を始めました。「冷凍しろたま」は白石産タマネギをみじん切りにして急速冷凍したもの。解凍しても味が変わらず、長期保存が可能です。カットする手間がないので調理時間の大幅短縮にもつながります。「最初は商品化できるか不安だった」と、リーダーの3年生・島ノ江葉月さん。タマネギ農家でもある両親の「いいんじゃない」というひと言に背中を押され「よし、やってみよう」という気持ちになりました。加工は地元白石町の企業に、流通先も県内企業に依頼し、消費者に届くルートを整えました。加工の委託費などはクラウドファンディングで募集。目標の50万円には約半月で到達、その後もたくさんの応援が相次ぎ、最終的に65万円を集めました。資金を利用して、パッケージの文字やキャラクターの「しろたまくん」を商標登録したい、と次の目標もできました。「冷凍しろたま」は、1パック500㌘で定価は398円に設定。21年は約5000パックを製造し、県内の一部のスーパーで販売しています。商品は好評で、既に増産の依頼もきています。「タマネギの消費拡大と農家の所得向上につなげたい」と島ノ江さん。「たくさんの人に食べてもらい、白石町や佐賀県のことを知ってもらえたら」と目を輝かせます。

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