紙面からニッポンフードシフト

香川県から、ニッポン フード シフト。

新規
就農

四国新聞 2022年1月10日掲載

伝統を受け継ぐ新たな挑戦

まんのう町羽間地区特産のブランド「はざまいちじく」。明治時代初期から栽培されていたといわれていますが、近年は高齢化と後継者不足が課題となっています。そんな地域の事情を受け、「はざまいちじくを全国に広めたい」との思いで、20代の若者5人で設立した農業法人Bettim(ベッティム)。地区内の休耕田を借り受け、2019年からはざまいちじくの栽培・販売を手掛けています。農園長を務める高橋青波(せいは)さんは農業の知識や経験が一切なく、イチジクを食べたこともなかったそう。栽培歴40年以上のベテラン農家の人たちに教わりながら始めたものの1年目は苦労の連続で、右も左も分からないまま、なんとか収穫・販売までこぎつけました。2年目は試行錯誤をしながらも約180本の木から約2.5㌧のイチジクを収穫。ブランディングをし直すことでインターネット直販は全国各地から注文が入り、販売開始後1カ月程度で完売となりました。今では同じ畑で栽培するサツマイモやビーツなどの野菜も人気です。ベッティムを立ち上げた篠原仁一朗さんは現在、県内の他の農家と協力し、東京への新しい販路を切り開こうと奔走しています。そして「このブランドを新しくするのではなく、受け継ぐという覚悟を持って取り組んでいます」と熱く語ります。高橋さんも同じ思いで「まずは食べてほしい。はざまいちじくを誰もが知る全国ブランドに成長させ、僕たちが中心となって地域を盛り上げていきたい」と目を輝かせています。

47都道府県からニッポンフードシフト
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