紙面からニッポンフードシフト

鳥取県から、ニッポン フード シフト。

有機
農業

日本海新聞 2022年1月10日掲載

魚原料自作肥料で有機栽培

魚を原料に自己流で作る肥料を使った有機栽培に取り組んでいます。食の安心・安全を求める消費者から人気が高く、将来的に収入の主力にしようと、試行錯誤を重ねています。「信用できる物作りがしたかった」と話す山下高史さんは、農業をゼロから始め、独学で家畜のふん尿や化成肥料を一切使わない有機栽培に挑戦しています。魚粉や米ぬか、イノシシの骨粉をまぜて11月から春先まで仕込みます。魚は自身で釣るほか、漁師が水揚げした余り物を譲り受けることも。魚粉は発酵させず直まきもでき、使いやすいところも魅力と言います。魚粉の肥料を使うことで収穫量が上がりました。化成肥料を使った通常の栽培と比べて半月から1カ月長く農地で育てるため、甘みが出て濃厚な味に。そうして育てた野菜をオリジナルブランド「アンダンテ・ベジーズ」と名付けました。「アンダンテはイタリア語で緩やかなという意味。ゆっくり育つのをイメージした」と話します。祖父と一緒にブロッコリーを育てる傍ら、計50㌃の畑でズッキーニや金美にんじん、希少品種のジャガイモ「レッドムーン」など、西洋品種を含め多彩な野菜を栽培しています。米子市内のパン店で直売しているほか、「やました農園」としてフェイスブックで情報発信しています。現在の主な収入源はブロッコリーですが、有機栽培野菜の生産能力を高め、収入の柱にしようと奮闘しています。「『消費者の口に入るまで』を意識し、信用されるものを作っていきたい」と張り切っています。

47都道府県からニッポンフードシフト
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