紙面からニッポンフードシフト

奈良県から、ニッポン フード シフト。

有機
農業

奈良新聞 2022年1月10日掲載

有機農業にこだわり次世代へ

化学的に合成された肥料や農薬を一切使用しない有機JAS認証を取得した田や畑で有機野菜の生産・加工・販売を行う山口農園。農業の概念を覆す「完全分業制」を導入することにより、社員が働きやすい環境を構築。また、次世代の農業を担う人材を育成するため「オーガニックアグリスクール NARA」を開講するなど、先進的な取り組みを行っています。近畿大学農学部で学んだ岩本賢さんは同社の「新しい農業」に取り組む姿勢に共感して入社し、2022年で4年目を迎えます。20年9月からはベビーリーフの栽培計画から収穫まで全てを担う責任者に。「将来の需要を見越した計画を立て、それに従い順調に野菜を育てる事はとても難しいですが、自分が一から手掛けた野菜をお客様が実際に手に取り『おいしい』と言ってもらえることがとてもうれしい」と話します。農薬を使用しないということは、一般的な野菜と比べて害虫や雑草を取り除く作業が増えるなど手間暇がかかり、また、野菜の色や形、大きさがまちまちになるといったケースもあります。「無農薬での生産は施肥管理や病虫害防除、温湿度管理など、その場に応じて臨機応変な対応が求められるため常に勉強が必要ですが、毎回が新鮮で挑戦すべき何かに出会う。そこにやりがいを感じます」と岩本さんは目を輝かせます。有機農業にこだわり高付加価値野菜を作ることで若者が夢を持って働ける環境を作りたい、という同社の目標を、岩本さんが今まさに体現しようとしています。

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