紙面からニッポンフードシフト

三重県から、ニッポン フード シフト。

スマート
農業

伊勢新聞 2022年1月10日掲載

農業の発展に若い知性を

浅井農園は、ICT技術を取り入れトマト栽培などを行うスマート農業の旗手として注目されています。「完熟チェリートマト」は、果物のように甘く、子どもをテーマにした「はぐくみトマト」はヘタがなく食べやすいと人気が高まっています。これらトマトの生産を現場から支えているのが2018年に入社した勝部尚隆さんです。浅井農園では、温度や湿度などをセンサーで測り、コンピューターで制御するセンシング栽培を行っています。それにより24時間環境を保てるほか、データを取得することができます。勝部さんはこれらICT活用で得られたデータを植物科学に基づいて数値を記録し、勘や経験によってつないできた農業方法を科学的に解明させ、再現性を持たせることを実現。また、農業界では光が1%増えると収量が1%増えるとも言われており、効率よく光を照射できるよう、光合成量の見える化の取り組みも行うなどし、年々生産性をあげています。ほかにも、作業する人への働きやすさを重視し、負担を減らすよう全ての作業を腰の位置で行えるような仕組みや、個々の熱ストレスと作業強度をモニタリングする「スマートフィット」も導入し、労働効率の最大化を目指しています。勝部さんは、農業の発展には若者の就農参加が不可欠。そのために誰でもうまく栽培できるような仕組みを作りたいと話します。タブレットを片手に颯爽と現場を歩く勝部さんの姿から、農業の現場は大きく進化していると実感しました。

47都道府県からニッポンフードシフト
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