紙面からニッポンフードシフト

福井県から、ニッポン フード シフト。

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農業

福井新聞 2022年1月10日掲載

三姉妹が描く農業の未来

75馬力のトラクタを乗りこなし、ドローンで薬剤散布―。先端技術を搭載した機械を操り、両親と共に約30㌶の農地で作物づくりに取り組む伊藤三姉妹。長女の彩華さんいわく、「トラクタにGPSが付いてからハンドル操作なしで真っすぐ進めるようになって、本当に楽ちん。ぐねぐね曲がって大変だった以前が嘘みたい」。担当するネギ畑では、2021年からドローンで肥料散布を始めましたが、これもあっという間に完了です。姉妹3人の中で、跡を継ぐのは自分かなと思っていたという彩華さん。3年前に従業員が辞めたのを機にそれまで勤めていた会社を退職、父親が代表を務める「ef(エフ)」に入社しました。働き始めてすぐ自然相手の仕事の厳しさは実感しましたが、「農業は重労働」というイメージは変わったそう。「先端技術を使った機械があれば、女性でも体力的なハンデはほとんどないですね」。そしてこうした機械は、日本の農業を支えてきた高齢者の作業も助けてくれます。「農業は技術に加えて経験と知恵が必要。父にはこれから教わることがいっぱいあるんです」。父親の浩一さんは地域でいち早くイチゴ栽培に取り組むなど、攻めの農業を実践してきました。「農業は作るものや方法を考えれば収益を上げることができる。まだ私はそこまで届かないけれど、妹たちと一緒にまずは好きな作物を上手に育てて、皆さんに喜んでもらいたいですね」と笑顔を見せます。

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