紙面からニッポンフードシフト

石川県から、ニッポン フード シフト。

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北國新聞 2022年1月10日掲載

農業をなりたい職業ナンバーワンに

イタリア料理でおなじみのリゾットに適したカルナローリ種の生産量で日本一を誇るのが、能美市にある有限会社たけもと農場である。社長の竹本彰吾さんが知人のレストランシェフから依頼され、栽培に挑戦したのが2009年。当時、国内でイタリア米の栽培に関する情報はなく、米作りで天皇杯を受賞した祖父の技術を受け継ぐ父とともに手探りの中から技術を確立し、今では30㌧を収穫するまでになった。さらに、パエリアに最適なスペイン米も15年から生産。イタリア米はレストランに卸すだけでなく、一般家庭でも手軽に食べられる「リゾットMAMMA(マンマ)」の商品名で販売する。その開発に大学生時代、インターンシップで携わった縁をきっかけに入社したのが、京都府出身の岩井悠(はるか)さんだ。たけもと農場にとって初の新卒、初の女子の採用で、竹本社長は「農業経験はゼロだったが、彼女の情熱と人柄を見込んで」と振り返る。入社後の岩井さんは、農作業の現場で日々、経験を積む一方、Web担当として商品ページを作成し、農産物のオンライン直売サイトへの商品登録なども行う。「お客様から『おいしかったよ』『今年もよろしく』などの声をいただくと、本当にやりがいを感じます」。インターネットの音声メディア「ポッドキャスト」を使い、竹本社長が農業を志す人向けに発信する番組のサポートもする岩井さん。「農業をなりたい職業ナンバーワンに!」との社長の夢は、岩井さんの夢でもある。

47都道府県からニッポンフードシフト
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