紙面からニッポンフードシフト

富山県から、ニッポン フード シフト。

スマート
農業

北日本新聞 2022年1月10日掲載

おいしい米を先進技術で

都内の大学で耕作放棄地について研究したことをきっかけに、埼玉県からゼミ担当教授の出身地・入善町へ移住し、就農した冨田敬さん。現在、米山農産で特別栽培されたコシヒカリ「米山米」などの栽培に従事しています。社会に貢献できる仕事に就きたい思いがあり、「人が生きるための根っ子となる食料の生産に携われることが心の中で響きました」と、田を見つめます。担い手不足に悩む農業の世界に飛び込んで4年。冨田さんは、農業従事者を増やすためには、農作業の負担軽減が図れるスマート農業の浸透が必要だと感じています。稲穂の生育は、田に張られた水の温度と気温、水量で大きく変わるため、水の管理が重要です。しかし、田を巡回し、用水路から水を引き込むための水門を開閉する作業は時間を問わず必要とされる重労働。早朝、夕方と適した時間に必要な水量をイメージできる経験も必要です。「2021年からデータを蓄積した自動水門が5台稼働。スマホで遠方から自動開閉できます」。今後、GPS付きの田植機やトラクター、ラジコン草刈機など新しい技術の導入で農業が大きく変わると話し、作業の負担軽減をはじめ、効率化、米の品質向上につながると期待されています。米山農産一押しの米山米は、堆肥や有機質肥料を使用し、減農薬で環境にも優しく、味の評判も上々。スマート農業の先進技術や環境に優しい栽培法は美味しいブランド米を育み、同時に若い人が就農したくなる後押しとして着実に歩み始めています。

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