紙面からニッポンフードシフト

新潟県から、ニッポン フード シフト。

輸出

新潟日報 2022年1月10日掲載

ブランド梨を海外にアピール

新潟市江南区の若手の梨生産者10人が、栽培技術を学ぶための勉強会を始めたのは2014年。交流を重ねるうちに、同地域の梨の認知度の低さが話題に上るようになりました。「江南区の梨の生産地としてアピールし、販路を拡大したい」と立ち上げたのが、生産者グループ「AGNET 新潟」でした。18年11月にル・レクチエ(西洋梨)の解禁日を祝うイベントを開催。大勢の参加者がル・レクチエを使った料理やジャズを楽しみました。コロナ禍で中止せざるを得なかった20年は生産地を紹介する動画を制作し、販売促進につなげました。19年夏に、海外での販路拡大を目指し、タイ・バンコクでの県産物産展に出展。現地での評判がよく、これをきっかけに和梨の輸出を開始しました。AGNET新潟は活動の一つとして、シーズンの秋以外での販売を見込んだ雪室熟成実験を続けてきました。「旬を求める県内消費者への販売は簡単ではありませんでしたが、海外では2月の旧正月向けに、贈答用の高単価の梨がよく売れます」と、会長の熊谷 剛さん。雪室熟成という付加価値の付いた梨は、タイなどで高い評価を得ています。現在のメンバーは14人。両川中学校(江南区)の総合学習のサポートなども積極的に行っています。顧問の堀川 諭さんは、「昔に比べ、農業の仕事は多岐にわたり幅も広い。まずはその魅力を子どもたちに伝えたい」と語ります。「職業の一つとして選ばれる農業にしていくことも、われわれの仕事だと思う」と目を輝かせていました。

47都道府県からニッポンフードシフト
トップへ戻る