紙面からニッポンフードシフト

長野県から、ニッポン フード シフト。

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信濃毎日新聞 2022年1月10日掲載

ブドウ栽培から夢に挑戦

2021年5月、南佐久郡小海町に移住してワイン用ブドウの栽培を始めた、千田康介さん、長谷川達也さん、中村佳太さん、林秀直さんの4人は、慶応義塾大学商学部時代の同級生。町の地域おこし協力隊員として、初年度は親沢地区に借りた2㌶の畑の片隅で、ワイン用のブドウの試験栽培に取り組みました。春に植えた8種類の苗の生育の観察、また東御市のヴィラデストワイナリーでの研修を経て、小海町に適した品種の選定をし、22年春から本格的な栽培に乗り出します。日本ワインにほれ込み、未経験から始めた農業に楽しさとやりがいを感じる4人の夢は「ワイン造りを通して人と人をつなぐ場を作る」こと。そして、自分たちが造るワインをきっかけに、農業と縁遠い同世代の人たちにも、日本の食や農業を考えてもらえるようになってほしい、と願っています。そんな思いから4人は「ノーマンズ」のグループ名で、YouTubeを通じ、自分たちの暮らしぶりや、日本ワインに焦点を当てた動画を発信しています。自分たちが進む道の正しさを確信させるのは、農作業を丁寧に教えてくれる地域の人々からいただく野菜のおいしさ。「作った人のことを知ると、食はずっと豊かになる」。そんな信念で、自然相手の仕事の厳しさもしっかり受け止めます。4人が育てたブドウからワインができるのは、3~4年先。それまでに積み重ねるいくつもの物語が、彼らのワインに特別な味わいを添えてくれるのでしょう。

47都道府県からニッポンフードシフト
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