有機
農業


千葉日報 2022年1月10日掲載
有機栽培と種の保存を両立
三須さんの実家は千葉県八街市で鎌倉時代から続く農家で、ニンジンやサトイモ、ジャガイモなどを育てています。父の代からは有機農業を展開しており、最近では都内の有名ホテルなどからの引き合いが多いです。三須さんは家業を継ぐために、同県東金市の県立農業大学校で、害虫の被害をなくす研究をしており、2020年から、地元に生息する絶滅危惧種アズマヒキガエルの捕食能力を生かしたヒョウタンゾウムシを駆除する研究をしています。両生類を使って害虫を駆除する初の試みです。このカエルは食欲旺盛で、畑に放てば獲物を見つけて生きていくだけでなく、繁殖力が強く、鳥などに襲われると毒を含んだ粘液を出すため、全滅の可能性は低いです。実家では、ニンジンに付くヒョウタンゾウムシの被害に悩まされていて、半分近く廃棄したこともありました。ほかの農家さんでも甚大な被害を受けて廃棄したところもあります。希少なカエルを〝天敵生物〞として増やし、有機栽培と種の保存を両立させることが目標で、この害虫による被害が多いダイコンや落花生などを栽培する農家にもうってつけだと思われます。ただ、実用化に向けてはカエルが別の場所へ移動しないように農地を囲む必要や生息数の管理、産卵場所を整えるなど解決すべき課題が山積しています。これからも試行錯誤を続け、生き物や環境に優しい農業を構築しつつ、「カエルが育んだニンジン」などといった物語性のある商品を実現したいと三須さんは意気込んでいます。