紙面からニッポンフードシフト

埼玉県から、ニッポン フード シフト。

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埼玉新聞 2022年1月10日掲載

さいたまを「ヨーロッパ野菜の街」に

チーズやワイン、パスタの消費量が日本トップクラスのさいたま市には、200軒以上のイタリアン、フレンチレストランがあります。料理の鍵となるヨーロッパ野菜を生産している若手農家の集まりが農事組合法人FENNEL。レストランや種苗会社、食品卸売業社とともに「さいたまヨーロッパ野菜研究会」を組織し地産地消に取り組んでいます。2013年、ヨーロッパで修業したシェフの「本場の野菜を使いたい」というニーズから「さいたまヨーロッパ野菜研究会」が発足。気候の違いによる困難を乗り越え、現在では市内で13軒の農家が約70品種のヨーロッパ野菜を作っています。最年少のメンバーが飯田秀樹さん。農学部を卒業後、鹿児島の農業生産法人を経て地元さいたま市に戻り、さいたまヨーロッパ野菜研究会の先輩の下で働いた後独立。「ここには新鮮な野菜を市内で消費する販路がある」と語り、「一から農家としてやってきた自分の経験を共有し、全国に仲間を増やしたい。農業は磨けば磨くほど良くなる」との意気込みで、日々の改善に余念がありません。市内の小中学校ではヨーロッパ野菜を使った給食が提供され、子どもたちにも好評です。スーパーにはヨーロッパ野菜が並び、小学校の社会科副読本にも載っています。毎年1月には「さいたま市長杯さいたまヨーロッパ野菜料理コンテスト」が開催され、県内の若手シェフ達の登竜門となっています。若手農家たちの新たな挑戦が、さいたまを「ヨーロッパ野菜の街」に変えつつあります。

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