紙面からニッポンフードシフト

群馬県から、ニッポン フード シフト。

有機
農業

上毛新聞 2022年1月10日掲載

若い力が有機農業を進化させる

農薬や化学肥料に頼らない野菜づくりに取り組む約40軒の農家が加盟する「くらぶち草の会」は、榛名山西麓の標高400〜900㍍で有機農業を展開し、主に首都圏の販売先と提携しています。元来植物を育てることが好きで農業関係の高校を卒業したという下野洸貴さん。研修制度の充実した「くらぶち草の会」で、2年間先輩農家の下で有機農業を学んだ後、3年前に独立。有機農業は、いかに害虫や病気を防ぐかが重要。下野さんは、太陽熱消毒によって土壌の病原菌や害虫を死滅させる手法を取り入れています。「見た目も美しい有機野菜をつくり、多くの消費者に選んでほしい」。コマツナ、ホウレンソウ、キュウリの3品目を生産する下野さんは、「さらに技術を磨き規模を拡大したい」と目標を掲げています。一方、下野さんと高校時代の同期だった岩﨑俊宣さんは2年遅れて「くらぶち草の会」の門を叩き、2021年春、独立。ピーマン、コマツナ、ニンジンの3品目に挑戦し、より良い栽培を探求中です。有機農業には制約も多く、一つ一つは小さくともミスが積み重なると作物に大きな影響を及ぼすのが難しいところ。「『ここで、こうすればうまくいくはず』などとシミュレーションしながら作物を育てるのが、難しいけれど面白い」。 二人とも先輩農家や新規就農の仲間たちと切磋琢磨しながら、「次代の就農希望者が夢を持てるような実績を築きたい」と日々努力しています。

47都道府県からニッポンフードシフト
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