紙面からニッポンフードシフト

栃木県から、ニッポン フード シフト。

スマート
農業

下野新聞 2022年1月10日掲載

スマート農業で働き方改革

人手不足が課題となっている日本の農業において、ロボット技術や情報通信(ICT)を活用したスマート農業は、軽労化、高品質生産を実現できる次世代モデルとして注目されています。栃木県下野市の農業・上野将さんは、2年間の海外農業研修で訪れたアメリカで、自動化とデータ解析を駆使した、正確で無駄のない農業を目の当たりにします。「規模は違うけど、日本の農業に取り入れることはできないか」と上野さんは思いました。そして帰国後、米だけで30㌶以上ある広大な土地での作業を家族ら5人でこなすため、GPS付き田植え機や薬剤散布のドローンを導入します。機器の導入による効率化で時間に余裕ができ、労力をほかの農作業に当てられるようになりました。さらに、基盤となる米作りに力を入れるため水田も100㌶まで拡大していきたいと考えています。新たに夏秋ナスの露地栽培を始め、土壌や肥料の状態などのデータを、モニタリングシステムで徹底管理。それが功を奏し、10㌃当たりの収穫量が全国平均10㌧に対して、2倍以上の22㌧を達成しました。今後はビニールハウスで春ナス、ほうれん草の栽培もスタートさせ、稲作以外の園芸作物を増やしていく予定です。「今は家族経営ですが、将来は人の雇用も考えています。働く人が魅力的で満足できる農業にするためにも、売り上げ規模を拡大して、稼げる農業を目指したい」と上野さん。そのためにも、スマート農業で収量を安定させるのが大切だと考えています。近い将来会社化を実現し、35歳までには年商1億を目指したいと、今後の大きな目標も語ってくれました。

47都道府県からニッポンフードシフト
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