紙面からニッポンフードシフト

茨城県から、ニッポン フード シフト。

輸出

茨城新聞 2022年1月10日掲載

自慢の白菜を海外の食卓へ

白菜の生産量日本一を誇る茨城県。八千代町に次ぐ県内第2位の産地、結城市で、若手生産者5人が2019年4月、出荷組合「結菜」(ゆうさい)を結成しました。「国内価格の変動が年によって大きい白菜をなんとかしよう」という思いがきっかけでした。「結菜」の強みは安定した出荷量です。5人合わせて約100㌶の畑で、11月から3月まで秋冬白菜を約1万㌧収穫しています。代表を置かず5人で全てを決定し、それぞれ営業先を担当するのが「結菜」のスタイル。営業活動を展開するうち、海外に量販店を持つ企業を紹介される機会があり、茨城県農産物輸出促進チーム等のサポートによって白菜の海外輸出が実現しました。20年度は12月から3月にかけて、香港、シンガポールへ約100㌧をコンテナ船で輸出。現地での評判は上々で、21年度はタイ、マレーシアへ販路を広げ、11月から3月までの出荷量は前年比約3割増が目標です。メンバー最年少の湯本晃弘さんは、「他の農家とは違う経験ができることにやりがいを感じる。個人では限界があるが、仲間と組合を通して取り組むことで、自分たちそして農業の未来を開いていけると思う」と意気込みます。「生産者組合の新しいビジネスモデルをつくりたい」という5人は「自分たちの白菜が海外の食卓に並ぶのはモチベーションになるし、経験が自分たちを育ててくれる」と、次世代の子どもたちにつながるような魅力ある農業を目指しています。

47都道府県からニッポンフードシフト
トップへ戻る