関西からニッポンフードシフト

京都でゴミゼロの動き!?
量り売り専門店が続々。

取材・文/吉田志帆 
写真/香西ジュン

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思わずテンションが上がる[斗々屋]のガラスディスペンサー。量り売りは食材を持て余すひとり暮らしの強い味方でもある。

ゴミゼロを目指す生活は、
買い物を楽しみながら!?

地球環境保全のため、世界規模で広がるゴミゼロ(Zero waste)のムーブメント。その理念を掲げる日本初のスーパー[斗々屋]と[Zero Waste Kyoto]が、今夏オープンした。

場所は市を挙げてゴミやフードロス削減に力を入れる京都。ゴミゼロの象徴である伝統的な商法「量り売り」も、老舗が多い当地では馴染み深い。賛同する生産者から届けられる食材はオーガニックがメイン。量り売りは少々面倒なイメージがあったが、スパイスやパスタもお試し感覚で少量ずつ買えて、新鮮なうちに食べ切ることができる。馴れさえすれば、実はとても合理的なシステムなんじゃないか。

なんといっても、多種多様な品揃えは眺めているだけでもワクワク。楽しい! という感動が継続に繫がる。京都発のゴミゼロこと始め。まずは、ここからトライしてみよう。

斗々屋のココに注目!

  • 奥のレストランにメニューはなく、売り場の食材を鮮度が落ちる前に使い、食品ロスを防ぐ。

  • 野菜は毎週木曜〜、地元を中心とした農家から順次入荷。野菜の横には農家の顔写真も。

  • [東山とうふ 西初]のお揚げを使った定番商品、「斗々屋のお稲荷さん」は100g270円。

  • 秤にのせて表示されるボタンを押すだけの簡単操作。客自身がラベル発行までを行う。

  • 奥行きある店内は、手前から野菜果物や乾物、ショーケースと続き、奥に液体類などが。

  • 廃材を利用したオリジナルカート。上部に簡易テーブルが設置できる優れもの。

  • 使い切っていなくても購入できるので、調味料が足りなくなりそうなときなどにも便利。

  • 秤と一体化した最新鋭のレジを導入。現金でもカードでも、コンタクトレスで支払いOK。

  • 容器持参が基本だが、レンタルの容器や、購入できるさまざまなサイズの容器もスタンバイ。

Zero Waste Kyotoのココに注目!

  • 割烹[じき宮ざわ]による、変型野菜を使ったウスターソースなど、京都の名店も協力。

  • 古人の知恵を現代に。京都[久在屋]の豆腐は、昔ながらの流水の桶に入れて管理する。

  • 滋賀[ラトナファーム]のジャガイモを店でポテトチップスに。手軽なおやつもいろいろあり。

  • 大原ほか農家直送の野菜は地元新聞をリサイクルしたスタッフお手製の袋に入れて販売。

  • 乾物から加工品までをぎゅっとディスプレー。コンパクトで買い物しやすい空間。

  • 店内奥のカフェスペース。販売する食材を主に組み立てるランチ1,200円〜。カフェ利用も。

  • 計量は設置された秤で各自セルフにて。シナモンは20g650円〜で数本だけの購入も叶う。

  • ロゴ入りのコットン袋は乾物や土付きの野菜にぴったり。他に、オリジナル容器の販売も。

  • 酸化しやすい油こそ量り売りで必要な分量を。東近江の「菜たね油」など油類も豊富。

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