NFS_curry_Tokyograffiti
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78      9うん。ダルのだしもいい感じ父が大阪市で飲食店を経営しているのですが、そこで出会う生産者の方々がとても素敵だったんです。大学生になり、父の店でアルバイトをするうちに、誰が作っているかわからないものを食べているのは不思議だなと思い始めて。  生産者のもとを訪れるようになったきっかけは、広島県でハーブを育てている梶谷農園さんとの出会い。父の知り合いということもあり、1か月ほど住み込みで働かせてもらいました。社長の梶谷さんから「やりたいことをやればいい」という言葉をもらい、その後大学を1年間休学することに。その間に、チーズ工房やクラフトビール工場など合計7〜8か所の住み込みや短期滞在をし、勉強をさせていただきました。手紙を書いたり、飛び込みだったりと手段はいろいろでしたが、行ってみると人手が必要だったという現状があり、快く受け入れてくれることが多かったです。ビールの作り方が知りたくなったとき、連絡して訪問したのは、茨城県のパラダイス・ビア・ファクトリーさん。湧き水でビールを醸造しているので、住み込みをさせていただいた2か月間は、湧き水をくむことが日課に。結構マッチョになりました(笑)。実際に行って、作り方を知ることでより、どうせなら知っている生産者のものを使いたいし、ちゃんと食材を使い切りたいと思うようになりました。たとえば、長崎県雲仙市の農家の岩崎さんは、在来種をメインで育てています。在来種って、その土地らしさを表現する野菜なんですよね。そして、種が売っていない販売し、30%は種用に保管しないといけない。採算に合わないこともあると思いますが、岩崎さんいわく、種は気候などを記憶し、土地に適応していくそうなんです。そういう個性のある国産食材はスーパーにはなかなか並ばないし、ほかにも外国産の食材もたくさんあると思います。日本各地で育てられている、その土地らしい国産食材のおもしろさをにわかってもらうことは難しいかもしれませんが、知ってもらう機会は大事なんじゃないかなと思っています。何かの料理を、一度レシピ通りに作ってみましょう。そして、季節によって旬の野菜や食材が変わるので、次は違う食材で同じ料理を作ってみるのはどうでしょうか? この野菜とあの野菜は食感が似てるなと思ったら食材を変えてみる。そうすると、野菜を見る目が変わってくるかもしれません。なんでもそうですが、無から、70%は理をし過ぎず、できる範囲で挑戦してみてくださいね。―宙さんは︑生産者のもとへ住み込みに行かれたことがあると聞きました︒知らない人が作る野菜に対して︑愛が持てなくなることも︒どの野菜にも平等に接するべきなんですけど︙―生産者の方はすんなり受け入れてくれるのでしょうか?―国産食材のおもしろさを教えてください︒野菜や種はその土地の気候などを記憶する︑という話も聞きます―同世代に向けて︑食材選びが楽しくなるアドバイスをお願いします︒食材の味が活きていますTOKYO GRAFFITI1110村上宙(24)OHAYO経営大阪府出身。関西外国語大学を1年休学し、茨城県のクラフトビール工場、広島県のハーブ農家、長崎県のオーガニック商品直売所に住み込みで研修。生産者の素晴らしさを知る。約1年前に岡山県美作市へ移住し、OHAYOを起業。Instagram@ohayo_sora7.カイラン菜の茎はしっかりと、葉っぱは最後に軽く炒めます 8.パンダンリーフを乗せた炊き込みごはんが出来上がり♪9.岡山県美作市の「OHAYO」。古民家をリノベーションしています 10.裏庭に小さな畑を作り始めましたもち大豆のダル&国産豚肉のキーマカレー自給率おいしさ

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